畳店選びで思うこと
令和6年も駆け抜け、あっという間に年の暮れになりました。
今年も多くの方々との出会いがあり、充実した一年となりました。
今年を振り返り、感じたことのを少しだけお話しさせていただきます。
畳店選びには価格や品質など、お問い合わせが多くありますが、
私は、その作り手が職人であるのか、業者であるのかの違いが一番重要だと思っています。
畳を作っていると、あとひと手間が重要な場面が多くあります。
例をあげると、
①畳にへこみがある時に手直しするか
②角が丸くなっているときに補正するか
③厚みにばらつきがあるときに修正するか などです
あげればきりがないですが、職人はその一つ一つをきちんと仕上げていきます。
一方、業者さんは、畳表の品質を中心にPRを行い、ひと手間の作業を行うことが見られません。
これは、私が畳の表替えをする時に、前回の畳店の仕事はいい表を使用しているものの、仕上げがいい加減だったりすることが多い経験から感じています。
近年の畳店では機械の自動化が進み、誰でも畳を作れる機械が多くあります。
逆にいうと、職人は不在で、誰でも作れる精度の畳しか出来ず、細かい作業は一切行いません。
畳は部屋にあわせて一枚一枚大きさが違い、配置する場所でも作業内容が変わってきます。
安いものは安いなりの理由があるのです。
決して安い買い物ではない畳ですが、後悔しない畳店選びを行ってください。
畳表の説明に加えてどんな技術を使って仕上げるのかをよく聞かれた方かよいと思います。
畳店は、畳表を売る仕事ではなく、畳表を加工すると同時に畳床の補正技術を持つ仕事であることを、日々心に留めて作業をしています。
今年も大変お世話になりました。ありがとうございました。
来年も更なる飛躍を目指して頑張ります。